皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
王宮の庭園は、美しい花々が咲き乱れ、清らかな噴水が陽にきらめいている。

その美しさとは裏腹に、王妃様の隣を歩く私は、胸の奥がざわめいていた。

不思議だったのは、お付きの侍女がひとりきりで、しかも数歩うしろを歩いていること。

これは明らかに、王妃様が私と“二人きりの時間”を意図されている証。

やがて王妃様が、ふっと口を開いた。

「今日あなたを呼んだのはね、あなたにもう一度“未来”を持ってもらうためよ。」

「……未来、ですか?」

私は思わず聞き返した。

アレシオ殿下との別れを決意し、すべてを手放したはずの私に、もう一度未来を――?

王妃様は優しく頷いた。

「ええ。あなたの人生は、まだ終わってなどいないの。むしろ、これからが始まりなのよ。」

その声は、あたたかく、どこまでも深かった。

「私はね、セラフィーヌ。あなたこそが王妃に相応しいと思っているのよ。」

その言葉に、私は驚きのあまり足を止めた。
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