皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
王妃様の声が、そっと私の胸に届いた。

「王妃は、決して女王であってはならないのよ。」

王妃様の声は、柔らかさの中に強い意志を秘めていた。

「王の隣を、まるで自分も王であるかのように並び立つのは、おかしいわ。」

私は思わず王妃様の横顔を見つめる。

その瞳には、長年王を支えてきた者だけが知る、深い覚悟が宿っていた。

「王妃は、あくまで王の“後ろ”に立つの。誰よりも近く、でも決して前には出ない。どんなに非難されようと、王が迷いを抱いたときも、民に愛されなくとも……王が信じられなくなったとしても。」

王妃様は、庭に咲く白い花にそっと手を伸ばした。

「その背中を支えるのが、王妃の本当の務めなのよ。」

私は息をのんだ。

「背中を……支える存在……」

胸の奥に、何か熱いものが灯る。

「マリアンヌ皇女は、確かに人々の目を奪った。けれど、王の心を支えられるのは、あなたしかいないわ、セラフィーヌ。」
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