皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
私達は、皆の祝福の中で、互いの存在を確かめ合うようにもう一度見つめ合った。

──これは夢ではない。

これは、二人が選び取った、現実の愛。

そして私は、再びアレシオ殿下の私室に入る事を許された。

「いつ来ても、緊張します。」

私はリビングのソファーに座るのが、精一杯だった。

アレシオ殿下がベッドサイドに座る。

それは緊張している私を楽しんでいるようだった。

「セラフィーヌ。」

アレシオ殿下が、私に腕を広げて待っている。

「アレシオ。」

私は立ち上がるとそのまま寝室に入り、アレシオ殿下のその腕の中に自分の体を埋めた。

「君の気持ち、もっと知りたい。」

「はい。アレシオ殿下は、私の……」

唇が重なった瞬間、世界がふっと静まり返った。

ただ、胸の鼓動だけが二人の間に響いている。

優しく、けれど確かに熱を持った口づけだった。

私はアレシオ殿下の背にそっと手を回し、そのぬくもりを確かめる。
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