皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「申し訳ありません、セラフィーヌです。」

「なんだ、姉上か。」

アシュトン殿下がよかったと、安心した表情を見せた。

結婚前になのに、姉と慕ってくれるアシュトン殿下が、可愛らしく思えた。

「その、彼女は……」

するとケイシーは私に一礼をした。

「ケイシーと申します。アシュトン殿下とは幼馴染みになります。」

可愛らしい声なのに、しっかりとした口調。

アシュトン殿下が好きになるのも頷けた。

「こんな夜更けに、会っていたのですか?」

私がそう尋ねると、二人はまるで叱られた子供のように視線を落とした。

ケイシーは唇を噛み、アシュトン殿下はしばらく黙っていたが、やがて私の方を見て、静かに言った。

「姉上……どうか、このことは内密にお願いできませんか。」

「……わかりました。でも、どうして?」

問い返すと、アシュトン殿下はケイシーの手を握ったまま、切なげに笑った。

「俺とケイシーは、身分の違う恋をしています。」
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