皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
私とケイシー、そしてアシュトン殿下が頭を下げると、王妃は静かにその場を後にした。

――残された私たちは、確かな愛を胸に、新たな未来の一歩を踏み出そうとしていた。

そして間もなくして、王宮から正式に発表された。

――アシュトン殿下とケイシー・ロザリンド嬢の婚約が、王命により認められたと。

「はあ、君には負けたよ。」

アレシオ殿下は執務室でペンを置くと、頭をかきながら私に笑みを向けた。

「まさか、アシュトンの婚約を先に決めるとはね。」

「いえ、私の力ではありません。王妃陛下のお力添えです。」

私はすぐに否定した。すべては、王妃様の勇気ある進言のおかげだった。

――『あなたは、愛する二人の仲を引き裂くおつもり?』

そう国王に訴えかけた王妃様の言葉が、心を動かしたのだ。

王としての責務と、父としての愛情。

その間で葛藤していた国王陛下も、最終的には深く頷き、こう告げたという。
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