皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
アレシオ殿下の言葉に、お父様とお母様は顔を見合わせたが、すぐに頷いた。

「どうぞ、どうぞ。セレフィーヌ、失礼のないように。」

そして二人は、そそくさと応接間をあとにした。

静寂が降りた室内。

けれど、心の中は騒がしい。

「アレシオ殿下。これは公平さを欠く行為のように思えますが。」

私はあくまで冷静に言った。

あえて感情を見せまいと、姿勢を正す。

アレシオ殿下は一瞬だけ目を細めると、静かに言った。

「公平か……」

そして、私の隣へと腰を下ろす。

程よい距離を保ちながらも、その気配はすぐ近くに感じた。

「……この前、君を見て、思ったんだ。」

「何をですか?」

問いかけたその声が、自分でもわずかに震えていると気づく。

「君に、選ばれたいと。」

──ドクン、と心臓が跳ねた。

まさか、皇太子殿下の口から「選ばれたい」という言葉が出るなんて。
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