皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
けれどアレシオは一歩も退かず、私を庇うように胸を張っていた。

この瞬間、私はただ黙って立ち尽くすことしかできなかった。

「耳にした噂では、既にセラフィーヌ嬢と閨を共にしていると聞きます。」

大臣の声は冷たく、しかしその瞳には探るような光が宿っていた。

アレシオの眉間に深い皺が刻まれる。

その表情の変化を、大臣は見逃さなかった。

「もしそうであれば、セラフィーヌ嬢は本当に王妃に相応しいのでしょうか。」

「何だと……?」

アレシオの声は低く震え、次の瞬間には怒りをあらわにする。

「どういう事だ!」

大臣は怯まず、言葉を突きつけた。

「結婚前に体を許すなど、あるまじき行為です! セラフィーヌ嬢は純潔だったのでしょうか。」

その瞬間、大広間の空気が一気に張り詰めた。

アレシオの拳が机を叩きつけ、重い音が響く。
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