皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
ああ、心がざわつく。

信じたい。でも信じてはならない気もする。

「明日、受付の最終日だ。」

扉の前で振り返り、アレシオ殿下は優しい声で告げた。

「君を、会場で待っているよ」

そう言い残して、ドアを開く。

廊下に出た殿下を慌てて追いかけたのは、父だった。

「お、お見送りを……! 殿下、本日はわざわざ……!」

「いえ、公爵。私から願い出たことですから。」

アレシオ殿下は微笑みながら言った。

「セレフィーヌ嬢を、どうか明日、会場までお連れください。……鎖で繋いででも」

「く、鎖……でございますか?」

「ええ、ぜひそうしていただきたい。」

冗談めかして、さらりとそう言うと、アレシオ殿下はそのまま去っていった。

その言葉を耳にした瞬間、私の眉がぴくりと跳ねた。

──鎖、ですって?

あの誠実そうな皇太子殿下が、そんなことを……!

「ど、どういう意味なのだ、今のは……」
< 24 / 234 >

この作品をシェア

pagetop