皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
──まだ終わっていない。

例え、彼の心を動かせなかったとしても。

私には、私にしかできないことがある。

きっと。

王宮の大広間を後にし、次々と令嬢たちが馬車に乗り帰路につく。

だが、私の迎えの馬車はまだ来ていなかった。

すっかり人気のなくなった入口の回廊に一人で立っていると、冷たい石の床から足元がじんわりと冷えてくる気がした。

──第2試験に進む者には、三日以内に通達が来る。

その言葉が、胸の奥で何度も繰り返される。

……私の名前は、おまけのように呼ばれた。

思い出すたび、胸がざわついた。

そんな時、回廊の奥から声が聞こえてきた。

「マリアンヌ皇女」

アレシオ殿下の声だった。

思わず背筋が伸びる。

姿は見えずとも、声の距離感からして、奥の柱の向こうだと分かった。

「あなたの回答もとても素晴らしかった。特に外交や外国語については、他の令嬢よりも優れていた。さすがは皇女だな。」
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