皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
アレシオ殿下はそれだけを言い残して、歩き出す。

──きっとあの一言がなければ、私は今、彼にキスをされていた。

そう思うと、余計に胸が高鳴って止まらなかった。

後日、屋敷の応接間にリディアが飛び込んできた。

「セラフィーヌ!私、第1試験、合格してたわ!第2試験の通知も来たの!」

手に持った書状を誇らしげに掲げる彼女の姿は、まるで舞踏会に招かれたシンデレラのようだった。

「そんなに大声で騒がないでよ。ここは王宮じゃないのよ?」

「だって、嬉しくて仕方ないんだもの!」

きらきらと輝く瞳に、私は少しだけ呆れてため息をつく。

「ねえ、リディア。これは点数を競うだけの試験じゃないのよ? 最終的に選ばれたら、皇太子妃として……殿下と結婚しなければならないのよ?」

「分かってるわよ、そんなこと。」

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