皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「だって彼女、スクールの時からずっと、ダンスはTopクラスだったのよ?先生たちも“まるで宮廷舞踏の手本みたい”って褒めてたんだから。」

「そうね。」

私はつられるように微笑んだ。リディアの元気さに、少しだけ心が和らいだ。

「セラフィーヌも、ダンスは得意だったじゃない。あー、私は猛特訓しないとダメだわ!」

そう言いながらも、リディアは決してダンスが不得意なわけではない。

むしろ堂々とした所作と豊かな表情で、舞踏会でもいつも注目を浴びていた。

「でも……あのアレシオ殿下と踊るのよ?」

リディアの声が、ふっと真剣になる。

「どうやって練習すればいいのか、想像もつかないわ。スクールの時みたいに、気の合う子息と踊るのとはわけが違うもの。」

たしかに。

舞踏会では、ある程度顔見知りの相手とペアを組むことが多かった。

相手の癖やリズムに慣れていれば、多少のミスも笑ってごまかせる。
< 52 / 234 >

この作品をシェア

pagetop