皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「……セレフィーヌ・エストレア嬢。」

「……っ!」

一瞬、耳を疑った。

私──呼ばれた?
ほんとうに?

リディアが、はっと私を見ていた。

もう一人の令嬢は、唇を震わせたまま、そっと目を伏せた。

「以上、三名が最終試験へと進む。」

淡々と発せられる言葉。

でも、私の心は──波打っていた。

嬉しさと、戸惑いと、そしてほんの少しの罪悪感。
──けれど。

この場所に残ると決めたのは、私自身だ。

私は背筋を伸ばし、小さく一礼をした。

アレシオ殿下の瞳が、ほんの一瞬だけ、柔らかく綻んだように見えた。

その一瞬の表情が、胸に灯をともす。

私は、ここにいていいのだと。

舞踏会の会場を後にする頃には、辺りはすっかり静まり返っていた。

それぞれが思いを胸に秘め、ゆっくりと帰路についていく。

私も、長く張り詰めていた気持ちが少しずつほぐれてきていた。

けれど──
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