皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
リディアの姿を見つけたとき、私はふと足を止めた。

話しかけていいのだろうか。

彼女は、本気でアレシオ殿下を想っていたはず。
それを私は──

迷っていると、不意に彼女の方が、私に近づいてきた。

「おめでとう、セレフィーヌ。」

驚いた。

リディアの顔は、眩しいほどに明るかった。

「リディア……」私は思わず口を開いた。

「……ごめんなさい。その、私が選ばれて……」

本当は、もっと言葉を尽くしたかった。

でも、うまく言えなかった。

すると、リディアはあっけらかんと笑って、私の背中を軽く叩いた。

「なに言ってるの!」

「えっ……」

「あなたが皇太子妃になるために、どれだけ努力してきたか──私はよく知ってるわ。」

彼女の瞳は、真っ直ぐだった。

「勉強も、立ち居振る舞いも、舞踏も。何より、アレシオ殿下への誠実な想い。それを貫いてきたあなたが、選ばれて当然よ。」

その言葉に、私は息を呑んだ。
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