皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
そして、エミリアを見送ったアレシオ殿下が、同じく大玄関で待っている私に気づいた。

私は視線を慌てて前に向けた。

あの二人を見ているのがバレないように。

でもそれは無駄なことだった。

「セラフィーヌ嬢。」

そう、私の視線に気づいてアレシオ殿下が私に話しかけてきたから。

彼は私の隣に立ち、温かい笑顔を向けてくれた。

「君のダンスもよかったよ。」

私は小さくお礼を言った。

「一番最初に指名したのは、君が無難にこなせると思ったからだ。」

「えっ?」

私の胸の中に温かい感情が生まれる。

もしかしてそれは、私への信頼?

「その期待に君は応えてくれたよ。」

私は口元を隠した。照れているのをアレシオ殿下に気づかれたくなかった。

どうしよう。ものすごくうれしい。

「そのおかげでマリアンヌ皇女もエミリアも、素晴らしいダンスができた。君がいなければ、彼女達は最終候補に残らなかったよ。」
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