皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
「いいんだ」

低く穏やかな声が、私の心の奥に届く。

「会いたいって言われて……正直、嬉しかった。」

思いがけない言葉に、私は思わず顔を上げた。

殿下の頬が、ほんのりと赤く染まっているのが見える。

「あんな情熱的な恋文を、女性から貰うのは初めてだったよ。」

その照れを含んだ微笑みに、私の胸がドキンと跳ねた。

殿下の手の温もりが、指先からじわりと広がっていく。

「……抱きしめても、いいだろうか。」

静かに、けれど確かに問われたその言葉に、私は言葉を失う。

「セラフィーヌ。」

名前を呼ばれた瞬間、アレシオ殿下と目が合った。

その瞳に映るのは、優しさと、私への真っ直ぐな想い。

もう、目を逸らすことなどできなかった。

アレシオ殿下の腕が、そっと私の背中に回された。

次の瞬間、ぐっと力強く抱き寄せられる。

温かなその胸に、思わず息を呑んだ。
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