皇太子妃を公募で決めるなんて聞いてません~見返す為に応募したのに皇太子殿下に心奪われてしまいました~
ようやく絞り出した声。殿下の目がわずかに細められる。

「ほう。つまり、政治が悪いと?」

その言葉に、血の気が引く。これは王族への批判に等しいのでは──。

だが、私は目をそらさなかった。震える声で、言葉を紡ぐ。

「いいえ、そうではありません。ただ……情報を届ける努力が、まだ足りていないのではないかと。民は、制度があっても、それを知らなければ利用できません。」

言い切った瞬間、執務室に静寂が落ちた。

殿下はしばらく私を見つめていたが、やがて小さく頷いた。

「正直な意見だな。」

それにはいと答えるだけでも、私はわずかにためらった。

殿下のまなざしが、私の覚悟を試すように真っ直ぐ向けられている。

「では、どうすればいいと思う。」

「……はい。孤児院の管理人を増やし、孤児の救済により力を入れてはと存じます。」

「だとすれば、当然経済的支援が必要になる。その財源を、どこから持ってくる?」
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