売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「その通りだ!」

公爵は机越しにクライブを睨み据える。

「つまりアバーン伯爵家は、正式な当主不在のまま断絶した家。今さら血筋を語ろうが、家格を蘇らせようが、その家は“無きもの”とみなされる!」

クライブは沈黙したまま書類を手に取ると、胸元に静かに戻した。

「……では、クラディアが“アバーン伯爵家の当主”として、正式に認められればよいのですね。」

「言っておくが──金や人脈だけでなんとかなると思うなよ!」

お父様の声が怒気を含んで重く響く。

「名家とは“認めさせる”ものではない。時代と責務が“認める”ものだ。」

「ならば、俺が証明してみせます。」

クライブはその瞳に、決して揺るがぬ誓いを灯した。

「クラディアは、ただの出自の娘ではない。俺の未来であり、この家の誇りになる女性です。」

部屋には沈黙が落ちた。

書類の角が風に揺れる音さえ、静かに響くほどに──。
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