売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
カルデン公爵はしばし思案するように窓の外を見やり、やがてゆっくりと頷いた。

「クラディア嬢。君がアバーン伯爵家の正式な後継者であると、我がカルデン家が推薦する。」

「え……本当ですか……!」

私は思わず声を上げた。

「公的な推薦状を書こう。だが──条件がある。」

その低く重みのある声に、私は思わずゴクリと息をのんだ。

「クライブと結婚することだ。」

思わず、手をぎゅっと握りしめた。

「そして──男子を設け、北方五家のひとつ、アバーン伯爵家を正式に継がせろ。」

場の空気が凍った。

それはただの結婚条件ではない。“血を残せ”という使命。この人は、私に宿命を課している。

「他の血筋に、アバーン伯爵家の名を名乗らせるわけにはいかん。この家は、正当な血と歴史の象徴だ。」

カルデン公爵は続けた。

「だが──中央の有力公爵家、オーエン家の血筋であれば話は別だ。オーエン家のクライブとの子なら、北と中央の血を引く“継ぐに値する者”となる。」

< 105 / 158 >

この作品をシェア

pagetop