売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「君は、どの令嬢よりも美しい。」

──ふふ。
思わず笑みがこぼれた。昔の私なら、顔を伏せて逃げ出していたかもしれないのに。

そのとき。

「クラディア……よね?」

振り向くと、そこにはかつてスクールで同じ時を過ごした少女がいた。

きちんとまとめた金髪、気品ある物腰。──アナスタシアだった。

「本当に、あなたなの? あの頃の……」

「ええ、久しぶり。覚えていてくれたのね」

「忘れるはずないわよ。あなた、あのときは“居候の娘”って……ひどく言われていたのに……」

アナスタシアの瞳に、あの日の記憶がよぎっている。

私は、笑って答えた。

「でも今は、“アバーン伯爵家当主”よ。」

「……うん。よく、あの場所から立ち上がったね。尊敬するわ。」

思いもよらぬ言葉に、胸が熱くなる。

「ありがとう。あなたの言葉、嬉しい。」

そこにクライブが一歩進み出て、アナスタシアに軽く会釈する。
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