売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
その夜。舞踏会の余韻を残したまま、クライブの部屋でふたりきりになった。

ロウソクの灯りが、ゆらゆらと壁に影を映す。

クライブは、いつになくゆっくりと、私を見つめていた。

「クラディア。」

その呼びかけに、胸が高鳴る。

次の瞬間、クライブの手が私の頬に触れ──唇が重なった。

けれど、それはいつもの優しいキスじゃなかった。

情熱的で、深くて、強くて……離れようとしないキスだった。

何度も、角度を変えて、深く、熱く──

彼の想いが、キスのひとつひとつに込められているようだった。

「クライブ……?」

私が名前を呼んでも、彼は答えず、ただ静かにキスを重ねてくる。

そのうち、私たちの指が自然と絡まり、左手に嵌められたルビーの指輪が、微かな光を帯びた。

「クラディア。」

低く、震える声で囁かれたその名前。

彼は、そっと私をベッドへ押し倒した。
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