売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「こうして伯爵のそばにいると、私の心も潤ってきます」

執務官はさらりと続け、私ににっこりと微笑みかける。

「……潤いたいなら、女を紹介しようか」

クライブが立ち上がり、冷たい声で執務官のすぐそばに立った。

「ひぃっ……それは遠慮しておきます!」

執務官があたふたと頭を下げ、私と顔を見合わせる。

そして──私たちはそろって笑い出した。

「ねえクライブ、それ……もしかして嫉妬?」

「違う」

「じゃあ?」

「……業務妨害だ」

「どこがよ!」

笑いが、執務室いっぱいに広がっていく。

この屋敷に来てから初めて、心からの笑いが、私の中にあふれていた。

そしてクライブは、夜ごと私に甘い言葉を吐くようになった。

「クラディア……俺の天使……」

ベッドの上で、私を優しく抱きしめながら、耳元に息をかけるように囁いてくる。

「君はまるで……俺の栄養剤だ」

「……栄養剤?」
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