売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「クライブ……」

胸がじんとした。

まだ確かじゃない命なのに、もうこんなにも想ってくれている。

「模様は……何がいいかしら。」

私はベビー服をそっと撫でながら尋ねた。

「花がいいな。」

クライブは即答した。

「男の子だったら?」

そう笑いながら聞くと、彼は少し考えてから、優しく言った。

「子供の内は、花が似合うさ。……それに、君の刺繍だ。どんな模様でも、きっと幸せを運んでくれる。」

小さな命のために、今できること。

それが、こんなにも愛しくて、温かくて。

私はそっと、ベビー服を胸に抱いた。

そして、翌日。
私は王都の侍医に診察を受けていた。隣にはクライブが付き添ってくれている。

「うーん……」

医師はモニターを覗き込みながら、何度もエコーのプローブを滑らせていた。

「どうやら、妊娠ではないようですね。」

その言葉に、私は肩を落とした。

「……そんな……」
< 129 / 158 >

この作品をシェア

pagetop