売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
──世界に一つしかない、私だけのドレス。

そして、たった一人だけの、私の花婿。

胸の奥に、幸福がしずかに満ちていった。

結婚式当日。

私は、世界に一つしかない──
想いを込めて刺繍したウェディングドレスに身を包み、教会へと向かった。

胸はどきどきと高鳴り、でも、不思議と心は静かだった。

あの夜、死にかけた私が、今ここにいて、愛する人と結ばれる。

それは、奇跡そのものだった。

父の代わりに私の手を引いてくれたのは、お父様の親友──エストレン伯爵。

その温かい掌に、私は自然と涙が滲んだ。

「美しいよ、クラディア。」

彼の目にも、光るものがあった。

「天国のお父さんも、きっと喜んでいるに違いない。……こんなにも綺麗な花嫁を見たら、きっとね。」

私は涙をこらえて、微笑んだ。

教会の広間に入ると、目に飛び込んできたのは、たくさんの人々の祝福の笑顔。

本家のカルデン公爵が威厳をたたえた表情で立ち上がり、うなずいてくれた。
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