売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「今度は男の子が産まれるかしら。」

こればっかりは、産まれてみないと分からない。

でもクライブは、言い切った。

「今度は男の子だ。」

娘たちの時は、どっちでも俺達の子供だと言ってのに。

私はその言葉で、この子の誕生を運命だと思った。

「うっ……!」

激しい痛みが波のように押し寄せる。

けれど、私はもう怖くなかった。

──だって、この手にクライブの手があるから。

「クラディア、頑張れ!」

クライブが私の額の汗を拭い、祈るように手を握ってくれる。

その温もりが、私の命をつなぎとめてくれる。

「う……ああああ!」

私は声を上げて、最後の力を振り絞った。

すると──

「……産まれましたよ!」

産婆さんの声が、部屋中に響いた。

空気が一瞬、静まり返る。

そして──

「おぎゃあ! おぎゃああっ!」
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