売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
けれど、クライブは臆することなく、続けた。

「クラディアの体は……男を知らないだけに、締め付けが強くて……うねる。気を抜くと、すぐに持って行かれる。……俺も、一晩で何度も、ね。」

──やめて……。

思わず、胸を押さえた。

昨夜の優しい言葉も、熱を分け合った肌も──

たった今、この数語で、すべてが嘘に変わっていく。

「……あの女は俺が、しつけてみせますよ。」

胸がぎゅっと締めつけられた。

“しつける”──
私は、ペットか、道具なの……?

昨夜、彼が額にくれたキス。

「一生大事にする」と言った声。

「初夜のやり直しをしよう」と、そっと抱きしめてくれた腕。

──全部、演技だったの?

私は、まるで淫らな女だったみたい。

身体ばかりが評価されて、心なんてどこにもなかった。

扉の前で、私は唇を噛み締めた。

涙は流さない。
まだ泣かない。
だって──クライブの本心が、まだ……私には、わからないから。
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