売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「悪い? それとも、待ってるだけの女がいいの?」

言葉の強さとは裏腹に、心臓が速くなる。

どこか不安で、自分を試すような問いだったのかもしれない。

クライブは喉を鳴らして笑った。

「クラディアなら、誘われるのも……悪くない。」

そして彼は、ナイトウェアの前を大きく開き、私の肌に唇を落とした。

胸元にそっと吸い付き、舌で形をなぞる。

熱い感触がじわりと広がって、思わず声が漏れる。

「ああ……」

快感に震える身体と、それでもどこか遠く感じる心。

クライブの手が腰を撫で、さらに奥へと忍び込む。

けれどその動きに、愛の言葉は添えられない。

私はただ、彼の名を呼んだ。

「……クライブ。」

今はまだ、抱かれることでしか繋がれない。

でもそれでも、いいと思った。

彼の中で私が、少しでも特別になれるのなら。

「今日は、君が俺を抱くんだ。」

そう言って、クライブはベッドに横たわった。
< 59 / 158 >

この作品をシェア

pagetop