売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
真っ直ぐに私を見つめる瞳には、優しさと少しの期待が混ざっている。

「ほら、俺の腰に座って。」

導かれるまま、私はクライブの上に跨がる。

心臓がどくどくと鳴って、指先が震えた。

「んっ……あっ……」

熱が絡み合った瞬間、思わず声が漏れる。

身体の奥まで届く彼の感触に、胸の奥がきゅっと締めつけられる。

「痛くない? 自分で動いていいんだよ。」

そう言いながら、クライブは私の手を握ってくれる。

その温もりに背中を押されるようにして、私は小さくうなずいた。

恥ずかしい。けれど、逃げたくない。

私は、クライブのただ“抱かれるだけの女”で終わりたくなかった。

「……あ……クライブ……」

ぎこちない動き。けれど確かに、自分の意思で愛を届けていると感じた。

クライブが快感を抑えるように、息を止めるのが分かる。

「クライブ、我慢しないで……」
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