売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
そのまま、彼に手を引かれてベッドに戻る。

肌が触れ合うその熱が、どこか切なくて愛しくて、涙が滲んだ。

「もういいのよ。私は……ただ、あなたの隣にいたかっただけ」

「それを諦めるってことか?」

彼の吐息が、首筋にかかる。

「それはダメだ。もしそう思ってるなら、もう一度君の心に火をつける。」

そう囁くと、クライブは私の顎を掴み、迷いなく唇を奪った。

激しく、深く、息もできないほど貪るように──

まるで、今この瞬間すべてを焼き尽くすかのように。心が、体が、熱で溶けていく。

「君を俺のモノにした日から、俺は君のモノだ。」

吐息から熱が生まれる。私はクライブを見つめた。

クライブの瞳に、私が映っている――

それだけで、胸がぎゅっと締めつけられた。

「クライブ……」

名を呼ぶと、彼の肌が私に重なる。

熱い、クライブの熱を感じる。

期待してはいけないのに、また夢を見てしまう。
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