売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
その皮肉に、私は黙って微笑むことしかできなかった。

「ほら、座りなよ。」

セドリックがソファを指し、にやりと笑う。

その笑みに、どこか不穏な空気が混じっていた。

「何、警戒してるの? 俺、そんなに恐く見える?」

「いえ……」

首を横に振った瞬間、セドリックは当然のように私の隣に腰を下ろした。

私は思わず、体をそっとずらす。

「クライブとはね、若い頃からの親友でさ。昔はよく一緒に遊んだもんだよ。」

「そうなんですか……」

表面上は笑顔を保ちながら、私はさらに身を引いた。

けれど、それを面白がるようにセドリックは続けた。

「俺が買った女を、クライブも一緒に楽しんだことがあってね。あいつ、年上の女に目がなくてさ。」

嫌な予感が、背中をじわりと伝う。

「でも今は違うらしい。君みたいな若い女に夢中で……まったく、趣味が変わったもんだ。」

「……セドリック様?」
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