売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
セドリックが私を見て、そして鼻で笑うと、怒りのまま私を突き飛ばした。

「見損なったよ、クライブ。」

その一言を残し、彼は踵を返し、屋敷を後にした。

残された私は、ソファの上で膝を抱えたまま、ただ、泣いていた。

クライブが静かに膝をつき、私の肩をそっと抱く。

「すまない……クラディア……俺が守ると決めたのに、こんな目に……」

涙が止まらなかった。でも、その温もりに、私はすがるように身を寄せた。

「私……怖かった……でも、クライブが来てくれて……」

「もう誰にも、指一本触れさせない。必ず、守る。」

その誓いが、心に深く刻まれた。

「ねえ、クライブ。」

震える声で呼びかけると、クライブがぎゅっと私を抱きしめてくれた。

「ん?」

「……私に惚れてるって、本当?」

顔を覗き込むと、クライブは力強く頷いた。

「本当だよ。君がいないと、息さえできない。」

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