小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第21話 皇帝と皇后の確執(2/6)


「――実は9月にリャオ国の使節団が来るのだ。
カナリアには、彼らを我が国の文化でもてなす舞台の指導をしてほしい」

「わ……私がそんな重大な舞台を……!?」

「案ずるな。曲目は決まっておるそうだから、歌舞の指導だけで良い。
そなたの七夕の宴……なんとも趣深かった」
 ゼフォンは、シャオレイの頬に口づけた。

「陛下のご期待に沿えるよう、務めますわ……」



 紫微《しび》殿の前で、輿に乗ったままのメイレンに、チャオ内侍が伝えた。
「陛下とお過ごし中ですので――申し訳ございません」

「そうか……邪魔したな。
一刻も早く、私からの見舞いと感謝をしたかったのだ」

 チャオ内侍の横にいたミアルが尋ねる。
「感謝……でございますか?」

「カナリア姫は七夕の宴で、”私”の仇討ちをしてくれたと聞いたぞ?
刺客を琴で殴って……。
それに、非常に感銘を受けたのだ」
 メイレンは探るような目を送って、ミンシーたちを従えて去っていった。



 メイレンは華宵宮《かしょうきゅう》へ戻っていた。

 ミンシーが口を開いた。
「わきまえておりませんわ、カナリア姫は。
帰還したなら真っ先に、皇后殿下にご挨拶すべきですのに」

「陛下のお相手をしているのだから、仕方ない」

「それにしても……刺客に誘拐されて、よく無事で戻ってこれましたわね。
まさか体を――」

「めったなことを言うでないぞ」

 ミンシーは、はっとして口をつぐむ。

 そのとき、内侍がやってきて報告をした。
「カナリア姫が無事に戻ったのは、刺客からの文《ふみ》を運ばされたからだそうでございます。
文は陛下がご覧になりましたが、内容までは――……」

 メイレンの瞳は冷ややかになった。
(刺客からの文……?
まさか刺客は、ダン・ゼフォンと通じているのか?
――いや、そんな危ない橋は渡らぬか。
いずれにせよ、あの刺客は、郊祉《こうし》の夜に来たネズミの仲間だな)

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