小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第23話 妃になった姫、カラスになった小鳥(4/5)


 シャオレイは、ちらりとフェイリンを見た。
「ところで、兄さんはどうするの?」

「俺は、ラン・リーハイの私兵団に潜入する。
すでに協力者が潜入していて、リーハイの信頼を得ている」

「そう。さすがね」

 フェイリンは息をついて、ミアルに視線を送った。

「では……」
 ミアルは空気を読んで、さっと部屋を後にした。

 シャオレイがぽつりと言った。
「兄さん……いなくなっちゃうのね。今までそばにいてくれるのが、当たり前だったから……」

 シャオレイの寂しそうな顔が、フェイリンの胸を突いた。だが、フェイリンはじんわりと満ちた喜びを、一切あらわさずに言った。
「まだしばらくはいる。
案ずるな、俺がいなくてもそなたの身を守る策を考える」

「ありがとう……。
――そうそう今度ね、使節団をもてなす宴の指導をすることになったの。
歌舞が認められたのよ、陛下にも。
……宴に乱入しないでね?」
 シャオレイは冗談めかして言った。

「もうしない。――良かったな」
 陛下に認められた――それを聞いても、フェイリンには嫉妬は湧かなかった。
(義妹《いもうと》は、俺を求めているんだ)

 フェイリンの素直な褒め言葉に、シャオレイははにかんだ。
「でもね……曲がすごく長いから歌いながら舞うのは難しいのよ。
息切れしちゃう。
舞いながら歌えれば、我が国の文化の威厳とやらを示せるのよね」

「何人かで手分けすれば良いだろ?」
 フェイリンが何気なく言った瞬間、パッとシャオレイの顔が輝いた。

「さすが兄さん!」
 シャオレイはそう言いながら、フェイリンの首に手を回して抱きついた。シャオレイのふくらみが一瞬、彼の体に押し当たる。

 フェイリンはその感触を認識しないようにした。
(こいつは義妹だぞ)

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