小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第24話 罠は蜜の味(3/6)
◆
五穀豊穣《ごごくほうじょう》と国家安泰を祈るため、ゼフォンと高位の妃たちは寺院を訪れていた。その中には、シャオレイの姿もあった。
フェイリンもまた、護衛の兵に成りすまして警護についている。義妹《いもうと》を守るのが、義兄《あに》としての務めだと思っているからだ。
祈祷を終えたシャオレイたちに、客殿《きゃくでん》で茶が振る舞われた。
だが――シャオレイが茶を口にしてしばらくすると、異変が襲った。全身が熱くなり、息が荒くなる。
周りの妃たちは、和やかにお喋りをしている。
異変は、シャオレイだけのようだ。
「少し疲れましたわ……」
シャオレイはメイレンに断りを入れ、退席した。
その姿に、シュエン妃と取り巻きたちはほくそ笑んでいた。
ゼフォンは僧侶と歓談しており、シャオレイには気づかなかった。
◆
ミアルに付き添われ、シャオレイは僧侶の寝室――禅房へとたどり着いた。
寝台に腰かけたシャオレイは、荒い息をつきながら、顔を赤らめている。
ミアルが言った。
「妃様、どうされました?体調が悪いのなら侍医を……」
「いえ、これはたぶん――」
「毒でも盛られたか?」
フェイリンが突如として現れた。
ミアルとシャオレイは眉を上げた。
フェイリンは気にせず、シャオレイへずかずかと近づいた。抵抗しようとするシャオレイに構わず、その額に手を当てる。
「微熱があるな。”予言”は無かったのか?
それに、小鳥はなぜ警告しなかった?」
フェイリンの指がふれた部分から、しびれるような感覚がシャオレイに広がっていた。
シャオレイは、弱々しくフェイリンの手を払った。
「さ……触らないで!ミアル、水を……」
ミアルが慌てて水を取りに行く。
「毒じゃないようだな。心当たりはあるか?」
フェイリンの問いに、シャオレイは胸を押さえて息も絶え絶えに答えた。
「これは――催淫薬《さいいんやく》だわ」
フェイリンの動きが止まった。
シャオレイは、震える唇で続けた。
「青楼時代に、少し試したことがあったの。
でも今回は、かなりの量だわ……。
だから、あなたは近寄らないで……」
フェイリンの喉が、かすかに動く。
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五穀豊穣《ごごくほうじょう》と国家安泰を祈るため、ゼフォンと高位の妃たちは寺院を訪れていた。その中には、シャオレイの姿もあった。
フェイリンもまた、護衛の兵に成りすまして警護についている。義妹《いもうと》を守るのが、義兄《あに》としての務めだと思っているからだ。
祈祷を終えたシャオレイたちに、客殿《きゃくでん》で茶が振る舞われた。
だが――シャオレイが茶を口にしてしばらくすると、異変が襲った。全身が熱くなり、息が荒くなる。
周りの妃たちは、和やかにお喋りをしている。
異変は、シャオレイだけのようだ。
「少し疲れましたわ……」
シャオレイはメイレンに断りを入れ、退席した。
その姿に、シュエン妃と取り巻きたちはほくそ笑んでいた。
ゼフォンは僧侶と歓談しており、シャオレイには気づかなかった。
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ミアルに付き添われ、シャオレイは僧侶の寝室――禅房へとたどり着いた。
寝台に腰かけたシャオレイは、荒い息をつきながら、顔を赤らめている。
ミアルが言った。
「妃様、どうされました?体調が悪いのなら侍医を……」
「いえ、これはたぶん――」
「毒でも盛られたか?」
フェイリンが突如として現れた。
ミアルとシャオレイは眉を上げた。
フェイリンは気にせず、シャオレイへずかずかと近づいた。抵抗しようとするシャオレイに構わず、その額に手を当てる。
「微熱があるな。”予言”は無かったのか?
それに、小鳥はなぜ警告しなかった?」
フェイリンの指がふれた部分から、しびれるような感覚がシャオレイに広がっていた。
シャオレイは、弱々しくフェイリンの手を払った。
「さ……触らないで!ミアル、水を……」
ミアルが慌てて水を取りに行く。
「毒じゃないようだな。心当たりはあるか?」
フェイリンの問いに、シャオレイは胸を押さえて息も絶え絶えに答えた。
「これは――催淫薬《さいいんやく》だわ」
フェイリンの動きが止まった。
シャオレイは、震える唇で続けた。
「青楼時代に、少し試したことがあったの。
でも今回は、かなりの量だわ……。
だから、あなたは近寄らないで……」
フェイリンの喉が、かすかに動く。