小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第25話 ついばみたい喉(5/6)




 フェイリンたちが禅房へ戻ると、騒然としていた。シャオレイがいなくなって、大騒ぎになっていたのだ。

 フェイリンは面倒そうに舌打ちをする。

 その場にいた侍衛たちが、フェイリンたちに気づいた。
「陛下!」

 侍衛の声で、ゼフォンが姿を現した。ゼフォンはフェイリンの腕に抱かれたシャオレイを見た瞬間、安堵した。



 シャオレイは禅房に運ばれ、その寝台に寝かされていた。体を拭かれ、衣を着替えさせられている。
 シャオレイの顔にはまだ赤みが残っているが、苦しそうな様子は和らいでいた。



 別の部屋でフェイリンとミアルは、ゼフォンから事情聴取されていた。

「妃様は暑いから川に入りたいと仰り、外に出ました。
妃様と揉み合う護衛を止めようとして、私が後ろから薪で殴ってしまったのです……」

 ミアルの報告に、ゼフォンはあきれて護衛たちを見た。
「ただの女子《おなご》に倒されるとは」
 それから、ゼフォンはフェイリンに発言を促した。

「巡回をしていたところ、大きな水音が聞こえて、川で溺れている妃様を発見いたしました」

「それで、おまえがシャオレイを助けたのだな」

「はい」

 ゼフォンは無言でフェイリンを見つめたあと、チャオ内侍へと命じた。
「この者に褒美を」

「……陛下に感謝いたします」
 フェイリンは、深々と頭を下げたが、心の中では悪態をついた。
(貴様の褒美などいらん)

 ゼフォンは事情聴取を終えると、シャオレイの元へ行った。

 フェイリンは、それを冷たい目で見送った。

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