小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第28話 幸せの部屋(4/6)
◆
翌日の朝見のあと、シャオレイはシュエン妃に話しかけた。
「実は、伽羅《きゃら※》の香木をいただいたのですが……」 [※香木の一種で最上のもの]
極上品の名を聞いたシュエン妃が、興味を示した。だが、すぐにいぶかしげな顔をする。
「どうして、私に?」
「私は香には不慣れなので、熟知しているシュエン妃様に、指南をお願いできないかと思いまして」
シュエン妃は少し考えて、仕方なさそうにうなずいた。
だが、少し離れた所にいた彼女の取り巻きたちは、その様子を不信そうに見ていた。
◆
池のほとりの東屋《あずまや》に、シャオレイとシュエン妃がいた。そばには、それぞれの侍女が控えている。
シャオレイは木箱の蓋を開けて、シュエン妃に差し出した。
そこに入っていた伽羅の香木を見た瞬間、シュエン妃の目が輝く。それから、シュエン妃は香刀《こうとう※》を使って、手慣れた手つきで香木を切り出した。 [※香木を小片に切る小刀]
「この程度に刻めば、香りが引き立つわ」
そう言いながら、シュエン妃は刻んだ香木を香炉の灰の上に乗せた。甘く芳醇な香りに、うっとりと目を細める。
シャオレイも、その香りを深く吸い込み、楽しんでいた。
柔らかく品のある香りが、東屋に満ちていった。
やがて、シャオレイは箱を差し出して言った。
「この香木は……シュエン妃にもらっていただきたいのです」
「なぜ……?」
「価値が分からぬ私よりも、シュエン妃様にこそふさわしい品ですわ」
シャオレイは静かにほほ笑んだ。
シュエン妃は迷いながらも、結局は箱を受け取った。だが、シャオレイへの警戒は解けなかった。
(不気味な子ね。こんなもので私を懐柔するつもり?)
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翌日の朝見のあと、シャオレイはシュエン妃に話しかけた。
「実は、伽羅《きゃら※》の香木をいただいたのですが……」 [※香木の一種で最上のもの]
極上品の名を聞いたシュエン妃が、興味を示した。だが、すぐにいぶかしげな顔をする。
「どうして、私に?」
「私は香には不慣れなので、熟知しているシュエン妃様に、指南をお願いできないかと思いまして」
シュエン妃は少し考えて、仕方なさそうにうなずいた。
だが、少し離れた所にいた彼女の取り巻きたちは、その様子を不信そうに見ていた。
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池のほとりの東屋《あずまや》に、シャオレイとシュエン妃がいた。そばには、それぞれの侍女が控えている。
シャオレイは木箱の蓋を開けて、シュエン妃に差し出した。
そこに入っていた伽羅の香木を見た瞬間、シュエン妃の目が輝く。それから、シュエン妃は香刀《こうとう※》を使って、手慣れた手つきで香木を切り出した。 [※香木を小片に切る小刀]
「この程度に刻めば、香りが引き立つわ」
そう言いながら、シュエン妃は刻んだ香木を香炉の灰の上に乗せた。甘く芳醇な香りに、うっとりと目を細める。
シャオレイも、その香りを深く吸い込み、楽しんでいた。
柔らかく品のある香りが、東屋に満ちていった。
やがて、シャオレイは箱を差し出して言った。
「この香木は……シュエン妃にもらっていただきたいのです」
「なぜ……?」
「価値が分からぬ私よりも、シュエン妃様にこそふさわしい品ですわ」
シャオレイは静かにほほ笑んだ。
シュエン妃は迷いながらも、結局は箱を受け取った。だが、シャオレイへの警戒は解けなかった。
(不気味な子ね。こんなもので私を懐柔するつもり?)