小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第29話 死線上の恋
第29話 死線上の恋(1/5)
◆
その頃、瑶吟宮《ようぎんきゅう》の琴房では、シャオレイが琴の前でぼんやりしていた。
ミアルがそっと声をかける。
「陛下が今夜……シュエン妃様の宮へ」
「そう。――よかったわ」
(これで、シュエン妃を味方に付けられそうね)
だが、自分の夫を他の女の元へ向かわせる手助けをしたのを、シャオレイは喜べなかった。シャオレイの指先が、無意識に琴を奏で始める。
そんなシャオレイを、物陰からフェイリンがじっと見つめていた。
(今日も夜伽に呼ばれないか。
原因は、俺だろう。
あいつが誘拐されたときに、刺客――俺と交わったと、皇帝は疑っている。
……あの男の手が届かないなら、それでいい)
だが、物悲し気なシャオレイの琴の音を聞いているうちに、フェイリンの胸がちくりと痛んだ。フェイリンはそれを、罪悪感だと思っていた。
シャオレイのそばに控えていたミアルへ、フェイリンが視線を送った。察したミアルが、部屋を出て行く。
フェイリンは無言でシャオレイに近づき、彼女の横で軽やかな旋律を奏でた。
シャオレイは驚いた。
「……何?」
「音色が沈んでいる」
「――そうよ」
「計画通りに行ったんだろう?なら喜べ」
「喜んでるわよ」
シャオレイはやけ気味に、明るい旋律に変えた。
だが、シャオレイの指は次第に遅くなり、やがてそっと指を琴から離した。
(仕方ないわ……ゼフォンをひとり占めなんてできない)
だが、シャオレイに寂しさがにじむ。
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その頃、瑶吟宮《ようぎんきゅう》の琴房では、シャオレイが琴の前でぼんやりしていた。
ミアルがそっと声をかける。
「陛下が今夜……シュエン妃様の宮へ」
「そう。――よかったわ」
(これで、シュエン妃を味方に付けられそうね)
だが、自分の夫を他の女の元へ向かわせる手助けをしたのを、シャオレイは喜べなかった。シャオレイの指先が、無意識に琴を奏で始める。
そんなシャオレイを、物陰からフェイリンがじっと見つめていた。
(今日も夜伽に呼ばれないか。
原因は、俺だろう。
あいつが誘拐されたときに、刺客――俺と交わったと、皇帝は疑っている。
……あの男の手が届かないなら、それでいい)
だが、物悲し気なシャオレイの琴の音を聞いているうちに、フェイリンの胸がちくりと痛んだ。フェイリンはそれを、罪悪感だと思っていた。
シャオレイのそばに控えていたミアルへ、フェイリンが視線を送った。察したミアルが、部屋を出て行く。
フェイリンは無言でシャオレイに近づき、彼女の横で軽やかな旋律を奏でた。
シャオレイは驚いた。
「……何?」
「音色が沈んでいる」
「――そうよ」
「計画通りに行ったんだろう?なら喜べ」
「喜んでるわよ」
シャオレイはやけ気味に、明るい旋律に変えた。
だが、シャオレイの指は次第に遅くなり、やがてそっと指を琴から離した。
(仕方ないわ……ゼフォンをひとり占めなんてできない)
だが、シャオレイに寂しさがにじむ。