小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第32話 観察対象との初接触(5/5)
◆
ミアルは、瑶吟宮の一角にある私室に戻っていた。
観察日記に向かって、筆を踊らせる。
◆
【観察記録:第1回接触】
日時:ファンレン暦7年10月20日 皇太后誕生祭 戌一つ《いぬひとつ※》 [※午後7時-7時30分のあいだ]
場所:恵慈宮正殿 東側廊下裏手
距離:接触あり 手首・あご・頬・腰
様子:
初めて彼を、間近で見た。想像以上。獣のように鋭くて、それでいて人の形をしている。
眉の上にうっすらと傷あり。指揮官時代の負傷か。
少し汗ばんでいた。芳醇。
私をつかむ彼の手は、強引なのに力ずくではない。痛み、なし。愛撫は手慣れている。
武人なのに、滑らかな指先。女体を扱うため、手入れを怠っていないと思われる。
杖刑の尻の傷を指摘されて、怒りを浮かべる。やはり屈辱だった模様。
尻の傷を見る機会に期待。
◆
一気に書き切ってミアルは、筆を置いた。
(それにしても……ジュン様が私の目の前で動く存在になる日が来るなんて)
12年、見つめていただけの、手の届かなった“皇后の狂犬”。
(今日、私はジュン様に触れられ、彼に何かを残した。……これ以上の悦びが、この宮廷にある?)
ミアルは観察日記を閉じ、そこへうっとりと頬を寄せた。まるで、ジュンの胸の中であるかのように。
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ミアルは、瑶吟宮の一角にある私室に戻っていた。
観察日記に向かって、筆を踊らせる。
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【観察記録:第1回接触】
日時:ファンレン暦7年10月20日 皇太后誕生祭 戌一つ《いぬひとつ※》 [※午後7時-7時30分のあいだ]
場所:恵慈宮正殿 東側廊下裏手
距離:接触あり 手首・あご・頬・腰
様子:
初めて彼を、間近で見た。想像以上。獣のように鋭くて、それでいて人の形をしている。
眉の上にうっすらと傷あり。指揮官時代の負傷か。
少し汗ばんでいた。芳醇。
私をつかむ彼の手は、強引なのに力ずくではない。痛み、なし。愛撫は手慣れている。
武人なのに、滑らかな指先。女体を扱うため、手入れを怠っていないと思われる。
杖刑の尻の傷を指摘されて、怒りを浮かべる。やはり屈辱だった模様。
尻の傷を見る機会に期待。
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一気に書き切ってミアルは、筆を置いた。
(それにしても……ジュン様が私の目の前で動く存在になる日が来るなんて)
12年、見つめていただけの、手の届かなった“皇后の狂犬”。
(今日、私はジュン様に触れられ、彼に何かを残した。……これ以上の悦びが、この宮廷にある?)
ミアルは観察日記を閉じ、そこへうっとりと頬を寄せた。まるで、ジュンの胸の中であるかのように。