小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第33話 見射る瞳(3/7)
◆
その夜、ジュンとミアルは、華宵宮《かしょうきゅう》の離宮の一角にいた。ジュンがミアルを気に入り、連れてきたのだ。
ふたりは、長椅子で寄り添っていた。
「私がここにいてもよろしいのですか……?ラン公子」
「構わん。あと、ジュンでいいぞ」
ジュンは、ミアルの肩に手を回した。
ジュンに髪を撫でられながらミアルは、いぶかしんでいた。
(こんなにうまくジュン様に近づけるなんて、おかしいわ。いくら彼が女たらしとはいえ……。
きっとジュン様は、私を内通者にするように皇后殿下から命《めい》を受けてるのね)
ジュンは、杯《さかずき》をかたむけながら言った。
「ミアルはいつから宮中にいる?」
「私は宮中育ちですわ。
――ジュン様は、13歳で入宮されましたね?」
「そうだったか……?」
「あなたを初めてお見かけしたのは、武芸の模擬戦でした。
礼をした瞬間、光が走ったかと思えば、相手の手首に刃を当てて。
心を次々に折っておられました」
ジュンは感心した。
「よく覚えてるな……」
「一番の見どころは、決勝でしたわ。
お相手は確かリャン家の家督を継いだ――」
「思い出した、あいつだ」
家督を継いだ。
その言葉が、ジュンをイラ立たせた。
ジュンは三男だ。どれだけ腕を磨こうと、家の後継ぎにはなれない。選ばれなかった立場が、いつも冷たくのしかかっていた。
ミアルは、その反応を見逃さなかった。
(やはり“家”の話は、彼の急所――)
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その夜、ジュンとミアルは、華宵宮《かしょうきゅう》の離宮の一角にいた。ジュンがミアルを気に入り、連れてきたのだ。
ふたりは、長椅子で寄り添っていた。
「私がここにいてもよろしいのですか……?ラン公子」
「構わん。あと、ジュンでいいぞ」
ジュンは、ミアルの肩に手を回した。
ジュンに髪を撫でられながらミアルは、いぶかしんでいた。
(こんなにうまくジュン様に近づけるなんて、おかしいわ。いくら彼が女たらしとはいえ……。
きっとジュン様は、私を内通者にするように皇后殿下から命《めい》を受けてるのね)
ジュンは、杯《さかずき》をかたむけながら言った。
「ミアルはいつから宮中にいる?」
「私は宮中育ちですわ。
――ジュン様は、13歳で入宮されましたね?」
「そうだったか……?」
「あなたを初めてお見かけしたのは、武芸の模擬戦でした。
礼をした瞬間、光が走ったかと思えば、相手の手首に刃を当てて。
心を次々に折っておられました」
ジュンは感心した。
「よく覚えてるな……」
「一番の見どころは、決勝でしたわ。
お相手は確かリャン家の家督を継いだ――」
「思い出した、あいつだ」
家督を継いだ。
その言葉が、ジュンをイラ立たせた。
ジュンは三男だ。どれだけ腕を磨こうと、家の後継ぎにはなれない。選ばれなかった立場が、いつも冷たくのしかかっていた。
ミアルは、その反応を見逃さなかった。
(やはり“家”の話は、彼の急所――)