小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第34話 観察者の余裕(3/4)
◆
メイレンは書庫の戦術書をパラパラめくりながら、横に控えているミンシーへ尋ねた。
「――どう思う?」
「カナリア妃は昇格したので、欲が湧いたのでは?
珍しいことではないかと……」
「それだけとは思えん。
小鳥は、わきまえて従順な女だ。
寵愛を笠に着ず、私や他の妃への礼儀を忘れない。
それは今も同じだが……。
七夕の宴で誘拐されたあたりから、あやつは変わった。
いくら伝令役にされたとはいえ――無事に解放されたのは、あやしすぎる。
まさか……刺客と手を組み、資金提供をしているのか……?」
「刺客と同じように、殿下――ラン家を狙っているのかもしれませんね」
「そう考えると、筋は通る。
だが、小鳥が私たちを狙う理由が分からぬ。
仮に皇后の座を狙っているとしても、私を亡き者にしたところで、皇后の座にはつけぬ」
「陛下のためなのでは?」
「ダン・ゼフォンへの愛、か……?
そんなもののために命《いのち》を賭すとは、なんと美しい物語なのだ」
メイレンは、鼻で笑った。
そのとき、第7皇子付きの乳母がメイレンの元に来た。
「殿下、皇子がお熱を――」
その言葉を聞いたとたん、メイレンは戦術書を放り出して、第7皇子――我が子の元へ向かった。
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メイレンは書庫の戦術書をパラパラめくりながら、横に控えているミンシーへ尋ねた。
「――どう思う?」
「カナリア妃は昇格したので、欲が湧いたのでは?
珍しいことではないかと……」
「それだけとは思えん。
小鳥は、わきまえて従順な女だ。
寵愛を笠に着ず、私や他の妃への礼儀を忘れない。
それは今も同じだが……。
七夕の宴で誘拐されたあたりから、あやつは変わった。
いくら伝令役にされたとはいえ――無事に解放されたのは、あやしすぎる。
まさか……刺客と手を組み、資金提供をしているのか……?」
「刺客と同じように、殿下――ラン家を狙っているのかもしれませんね」
「そう考えると、筋は通る。
だが、小鳥が私たちを狙う理由が分からぬ。
仮に皇后の座を狙っているとしても、私を亡き者にしたところで、皇后の座にはつけぬ」
「陛下のためなのでは?」
「ダン・ゼフォンへの愛、か……?
そんなもののために命《いのち》を賭すとは、なんと美しい物語なのだ」
メイレンは、鼻で笑った。
そのとき、第7皇子付きの乳母がメイレンの元に来た。
「殿下、皇子がお熱を――」
その言葉を聞いたとたん、メイレンは戦術書を放り出して、第7皇子――我が子の元へ向かった。