小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第34話 観察者の余裕(4/4)




「この母がついておるから、案じるでないぞ」
 第7皇子の寝台の横に置かれた長椅子に、メイレンは腰かけた。

「苦しいですが、母上といられるので嬉しいです……」

 はにかむ皇子の頬を、メイレンは優しく撫でた。

 夜は深まったが、熱のせいで皇子は眠りにつけずにいた。

 メイレンは長椅子から下りて、彼の隣に横たわり、小さな体をそっと抱きしめた。
 
 すると、皇子は安堵したように、メイレンへ身を預けて目を閉じた。

 メイレンは、寝息を立てる皇子の髪を撫でながら、静かにほほ笑んだ。
(弱くもろい、私の剣……。
だが、素直で従順で、よく懐く。
剣を抜くその日が来るまで、折れぬように傷つかぬように――手入れを怠らぬのみだ)

< 171 / 244 >

この作品をシェア

pagetop