小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第35話 掟の庭(2/6)
◆
数日後、ゼフォンは紫微殿《しびでん》の執務室で、チャオ内侍から報告を受けていた。
「カナリア妃様は演奏会の際に、高価な贈り物を多数受け取っております。
記録にない訪問者も調査し、贈与品と照合いたしました」
チャオ内侍から数冊の書状を渡され、ゼフォンは中を見た。すると、ゼフォンの眉がわずかに寄る。
「――多いな」
「瑶吟宮の蔵も調査いたしました。
贈与品は、記録と一致しておりました。
ですが……」
言いよどんだチャオ内侍へ、ゼフォンが「続けよ」と促した。
「都の邸店《ていてん※》にて、妃様の侍女らしき者が、贈与品を換金していたとの報告がございます。
贈与品は妃様の私物ゆえ、換金行為は掟に抵触いたしません。
――されど、頻度・贈与主の顔ぶれ・資金流出先に、疑問点ありと存じます」 [※大規模な旅館に倉庫機能が付いたもの]
ゼフォンのまぶたが、ピクリと動いた。
チャオ内侍は「妃様の様子は、さらに注意深く見守る必要がございます」と、締めくくった。
「――ご苦労だった。下がってよい」
チャオ内侍が退室したあと、ゼフォンは椅子に背を預け、深く息をついた。
(カナリアは、なぜ換金をした……?
多額の金が必要なのか?
事実がどうあれ、不審な動きを見逃すわけにはいかぬ)
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数日後、ゼフォンは紫微殿《しびでん》の執務室で、チャオ内侍から報告を受けていた。
「カナリア妃様は演奏会の際に、高価な贈り物を多数受け取っております。
記録にない訪問者も調査し、贈与品と照合いたしました」
チャオ内侍から数冊の書状を渡され、ゼフォンは中を見た。すると、ゼフォンの眉がわずかに寄る。
「――多いな」
「瑶吟宮の蔵も調査いたしました。
贈与品は、記録と一致しておりました。
ですが……」
言いよどんだチャオ内侍へ、ゼフォンが「続けよ」と促した。
「都の邸店《ていてん※》にて、妃様の侍女らしき者が、贈与品を換金していたとの報告がございます。
贈与品は妃様の私物ゆえ、換金行為は掟に抵触いたしません。
――されど、頻度・贈与主の顔ぶれ・資金流出先に、疑問点ありと存じます」 [※大規模な旅館に倉庫機能が付いたもの]
ゼフォンのまぶたが、ピクリと動いた。
チャオ内侍は「妃様の様子は、さらに注意深く見守る必要がございます」と、締めくくった。
「――ご苦労だった。下がってよい」
チャオ内侍が退室したあと、ゼフォンは椅子に背を預け、深く息をついた。
(カナリアは、なぜ換金をした……?
多額の金が必要なのか?
事実がどうあれ、不審な動きを見逃すわけにはいかぬ)