小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第35話 掟の庭(3/6)
◆
瑶吟宮では、明日の冊封の儀に使う、衣装や装飾品をシャオレイが確かめていた。
ミアルが感心した。
「さすが尚服局《しょうふくきょく※》。
生地も刺繍もすべて格別ですね」 [衣服・宝物・装飾・儀式道具を管理する部署]
そのとき、ゼフォンが姿を現した。
それを見たシャオレイの顔が、ぱっと輝く。
「陛下!」
「時間が出来たから、見に来た。
明日の儀式の礼法は頭に入っておるか?」
「しかと刻み込みましたゆえ」
「ならばよい」
「衣装の鳥の刺繍……あれがカナリアなのね」
「ああ……予が尚服局へ命じた」
「小鳥だけど優美だわ……あなたの心を感じる」
ゼフォンは薄く笑みを浮かべたまま、さりげなく部屋を見回した。
(多量の贈与品を受け取っている割には、簡素だな。
……蔵にしまっているだけか?)
ゼフォンは、シャオレイと長椅子へ並んで座った。ひと口茶を含んでから、静かに言葉を投げかける。
「そういえば……瑶吟宮の使用人は働きがよいな。
カナリアの使い方がうまいのか、それとも……何か秘訣でもあるのか?」
シャオレイは、ゼフォンの横顔がわずかに硬いことに気づいた。
「優秀な人材には、相応の報酬を――それだけです」
シャオレイはほほ笑みを浮かべつつも、冷や汗をにじませていた。
(もしかして、金策のことを勘づかれたのかしら……?
でも、掟には触れていないはず)
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瑶吟宮では、明日の冊封の儀に使う、衣装や装飾品をシャオレイが確かめていた。
ミアルが感心した。
「さすが尚服局《しょうふくきょく※》。
生地も刺繍もすべて格別ですね」 [衣服・宝物・装飾・儀式道具を管理する部署]
そのとき、ゼフォンが姿を現した。
それを見たシャオレイの顔が、ぱっと輝く。
「陛下!」
「時間が出来たから、見に来た。
明日の儀式の礼法は頭に入っておるか?」
「しかと刻み込みましたゆえ」
「ならばよい」
「衣装の鳥の刺繍……あれがカナリアなのね」
「ああ……予が尚服局へ命じた」
「小鳥だけど優美だわ……あなたの心を感じる」
ゼフォンは薄く笑みを浮かべたまま、さりげなく部屋を見回した。
(多量の贈与品を受け取っている割には、簡素だな。
……蔵にしまっているだけか?)
ゼフォンは、シャオレイと長椅子へ並んで座った。ひと口茶を含んでから、静かに言葉を投げかける。
「そういえば……瑶吟宮の使用人は働きがよいな。
カナリアの使い方がうまいのか、それとも……何か秘訣でもあるのか?」
シャオレイは、ゼフォンの横顔がわずかに硬いことに気づいた。
「優秀な人材には、相応の報酬を――それだけです」
シャオレイはほほ笑みを浮かべつつも、冷や汗をにじませていた。
(もしかして、金策のことを勘づかれたのかしら……?
でも、掟には触れていないはず)