小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第35話 掟の庭(5/6)
◆
ゼフォンが去った後、ミアルはシャオレイへひざまずいた。
「カナリア妃様、申し訳ございません……私の失態です。
使用人への報酬は、他の妃様も行なっております。
ですから、露見しても特に問題にならないと思っておりました」
「ミアルのせいじゃないわ……私の見通しが甘かったのよ」
シャオレイはそう言いながら、ミアルを立たせた。
「――でもどうして、陛下が問題に思われたのかしら?
ミアルも言ったけど、実家が強い妃だって、同じことをしているのに」
ミアルは、少し考え込んだ末に答えた。
「妃様たちの実家が強いのは、陛下の重臣だからです。
つまり、陛下がそれだけの俸禄や褒美を与えられておられる。
陛下がカナリア妃様を問題視された理由はおそらく……妃様自身で稼がれたからかと……」
困惑したシャオレイへ、ミアルは続ける。
「ご夫人方の贈り物は、妃様の演奏に支払われたものです。
そして……その能力は、陛下がお与えになられたものではございません」
「でも……刺繍を宮廷の外で売っている妃もいるわ。
彼女たちの能力だって、陛下が与えたわけじゃないのに……」
ミアルは言葉を選びながら答えた。
「カナリア妃様は……他の妃様たちよりも、高額を稼がれましたから……」
その一言に、シャオレイはハッとする。
「私が、脅威になるかもしれないのね。
私が力をつけて使用人たちを買収し、権力を握ろうと画策すると――そう、陛下は危惧されたのね……」
ミアルは苦々しくうなずいた。
シャオレイは、ふらふらと椅子に腰かけた。
(ゼフォンには、そんな強欲な女に見えたのね……私が。
誤解で済んだけど……)
シャオレイはしばらく、背もたれにもたれたまま動かなかった。
鳥のさえずりと、木の葉のこすれる音だけが、静かに流れていた。
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ゼフォンが去った後、ミアルはシャオレイへひざまずいた。
「カナリア妃様、申し訳ございません……私の失態です。
使用人への報酬は、他の妃様も行なっております。
ですから、露見しても特に問題にならないと思っておりました」
「ミアルのせいじゃないわ……私の見通しが甘かったのよ」
シャオレイはそう言いながら、ミアルを立たせた。
「――でもどうして、陛下が問題に思われたのかしら?
ミアルも言ったけど、実家が強い妃だって、同じことをしているのに」
ミアルは、少し考え込んだ末に答えた。
「妃様たちの実家が強いのは、陛下の重臣だからです。
つまり、陛下がそれだけの俸禄や褒美を与えられておられる。
陛下がカナリア妃様を問題視された理由はおそらく……妃様自身で稼がれたからかと……」
困惑したシャオレイへ、ミアルは続ける。
「ご夫人方の贈り物は、妃様の演奏に支払われたものです。
そして……その能力は、陛下がお与えになられたものではございません」
「でも……刺繍を宮廷の外で売っている妃もいるわ。
彼女たちの能力だって、陛下が与えたわけじゃないのに……」
ミアルは言葉を選びながら答えた。
「カナリア妃様は……他の妃様たちよりも、高額を稼がれましたから……」
その一言に、シャオレイはハッとする。
「私が、脅威になるかもしれないのね。
私が力をつけて使用人たちを買収し、権力を握ろうと画策すると――そう、陛下は危惧されたのね……」
ミアルは苦々しくうなずいた。
シャオレイは、ふらふらと椅子に腰かけた。
(ゼフォンには、そんな強欲な女に見えたのね……私が。
誤解で済んだけど……)
シャオレイはしばらく、背もたれにもたれたまま動かなかった。
鳥のさえずりと、木の葉のこすれる音だけが、静かに流れていた。