小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第37話 ねたみの軍旗
第37話 ねたみの軍旗(1/5)
◆
ミアルはジュンと、夜の華宵宮《かしょうきゅう》の離れで密会していた。
ジュンが、ミアルの髪に対のかんざしを挿している。
それは、白い玉《ぎょく》が輝き、歩揺《ほよう※》がシャラシャラと小さな音を立てていた。 [※かんざしに下げられた細い鎖飾り]
「よろしいんですか……?
こんな高価な物をたくさんいただいてしまって」
ミアルは、卓上に置かれた華やかな女物の衣や装飾品、靴を見て言った。
「俺の女だから当然だ」
「お休みの日に身に着けますね」
ミアルはほほ笑んで、ジュンの胸にもたれた。
ジュンはミアルの肩を抱いた。
(ミアルはすでに年季が明けているから、いつでも宮中から出られる。
しかし、この女を妾《めかけ》として囲うには金が足りん。
いっそ妾を整理するか?
いや……そんなみっともないことはできん。
――それに、この女は陛下の幼なじみ。
陛下は我が一族を警戒しているから、首を縦には振らないだろう)
そんなジュンの心情に、ミアルは気づいていなかった。きらびやかな歩揺を、細い指先でいじる。
(これも、女を口説くときの常套手段。
すぐに私のことなんか、見向きもしなくなるわ。
私は、履いて捨てるほどいる女のひとりだもの。
――ジュン様に飽きられる前に、彼を失脚させなくちゃ……)
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ミアルはジュンと、夜の華宵宮《かしょうきゅう》の離れで密会していた。
ジュンが、ミアルの髪に対のかんざしを挿している。
それは、白い玉《ぎょく》が輝き、歩揺《ほよう※》がシャラシャラと小さな音を立てていた。 [※かんざしに下げられた細い鎖飾り]
「よろしいんですか……?
こんな高価な物をたくさんいただいてしまって」
ミアルは、卓上に置かれた華やかな女物の衣や装飾品、靴を見て言った。
「俺の女だから当然だ」
「お休みの日に身に着けますね」
ミアルはほほ笑んで、ジュンの胸にもたれた。
ジュンはミアルの肩を抱いた。
(ミアルはすでに年季が明けているから、いつでも宮中から出られる。
しかし、この女を妾《めかけ》として囲うには金が足りん。
いっそ妾を整理するか?
いや……そんなみっともないことはできん。
――それに、この女は陛下の幼なじみ。
陛下は我が一族を警戒しているから、首を縦には振らないだろう)
そんなジュンの心情に、ミアルは気づいていなかった。きらびやかな歩揺を、細い指先でいじる。
(これも、女を口説くときの常套手段。
すぐに私のことなんか、見向きもしなくなるわ。
私は、履いて捨てるほどいる女のひとりだもの。
――ジュン様に飽きられる前に、彼を失脚させなくちゃ……)