小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第37話 ねたみの軍旗(5/5)
◆
その日の夕方、退勤したジュンは、いつもの待ち合わせ場所でミアルを待っていた。だが、ミアルは来ない。
(どこへ行ったんだ?あの女――?)
ミアルを探すのは、ジュンには癪だった。ジュンは、そのまま宮廷の正門へ向かった。
正門を出た瞬間、ジュンは視線に気づいた。――従者ではない。
その方向へ目を向けると、またもやミアルがいた。
ミアルは広場の隅で、送迎の馬車の群れにまぎれて、ジュンを待っていたのだ。
ジュンと視線が交わった瞬間、ミアルはふっとほほ笑んだ。
ジュンはミアルへ目で合図し、彼の送迎の馬車へ一緒に乗り込んだ。
ジュンの従者はそれを見ないふりをして、馬車を発進させた。
◆
馬車の中で、ミアルはそっと外套を脱いだ。
すると、金の刺繍がきらめく桃色の抹胸裙《まっきょうくん》が、現れた。
金の簪《かんざし》と玉の耳飾りが、ミアルの黒髪と白い肌を際立たせている。
唇には紅が差され、ミアルの顔をあでやかに彩っていた。
足元には、刺繍が施された緋色の絹の靴――がのぞいている。
これらはすべて、ジュンが先日贈ったものだった。
ジュンはミアルを、上から下までじっくりと眺めてから言った。
「よく似合ってる。さすが俺の女だ」
ジュンはミアルを抱き寄せ、彼女の唇をついばんだ。
「――まさか、休暇申請をとってたのか?あれを見るために」
「はい」
「お前、暇だな……」
ジュンの口調は小馬鹿にしているようでいて、どこかゆるんでいる。
そんなジュンも、ミアルには愛しかった。
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その日の夕方、退勤したジュンは、いつもの待ち合わせ場所でミアルを待っていた。だが、ミアルは来ない。
(どこへ行ったんだ?あの女――?)
ミアルを探すのは、ジュンには癪だった。ジュンは、そのまま宮廷の正門へ向かった。
正門を出た瞬間、ジュンは視線に気づいた。――従者ではない。
その方向へ目を向けると、またもやミアルがいた。
ミアルは広場の隅で、送迎の馬車の群れにまぎれて、ジュンを待っていたのだ。
ジュンと視線が交わった瞬間、ミアルはふっとほほ笑んだ。
ジュンはミアルへ目で合図し、彼の送迎の馬車へ一緒に乗り込んだ。
ジュンの従者はそれを見ないふりをして、馬車を発進させた。
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馬車の中で、ミアルはそっと外套を脱いだ。
すると、金の刺繍がきらめく桃色の抹胸裙《まっきょうくん》が、現れた。
金の簪《かんざし》と玉の耳飾りが、ミアルの黒髪と白い肌を際立たせている。
唇には紅が差され、ミアルの顔をあでやかに彩っていた。
足元には、刺繍が施された緋色の絹の靴――がのぞいている。
これらはすべて、ジュンが先日贈ったものだった。
ジュンはミアルを、上から下までじっくりと眺めてから言った。
「よく似合ってる。さすが俺の女だ」
ジュンはミアルを抱き寄せ、彼女の唇をついばんだ。
「――まさか、休暇申請をとってたのか?あれを見るために」
「はい」
「お前、暇だな……」
ジュンの口調は小馬鹿にしているようでいて、どこかゆるんでいる。
そんなジュンも、ミアルには愛しかった。