小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第38話 帳《とばり》の中の熱(2/3)
ミアルは、ジュンへ手を伸ばした。彼女が最初に触れたのは、右腕の外側に残る、細く深い線。
「……これは?」
ミアルの問いに、ジュンはわずかに口元を持ち上げて、答えた。
「それは囮だ。敵が振りかぶってきたから、左手の短刀で殺してやった……」
ミアルの指が、ジュンの肩の斜めに走る傷へ滑る。
「これは……?」
「槍で突かれた痕だ。
かすった瞬間に、柄《え》をつかんで引き寄せて、俺の剣に突っ込ませた。
あいつ、目を見開いたままだったな……悪くない反応だった」
ミアルが喉を鳴らしたのを、ジュンの耳はとらえていた。ジュンに、静かな愉悦がにじんだ。
ミアルはさらに指を滑らせ、脇腹にある切り傷へ。それは、深さがあった。
ミアルの言葉を待たずに、ジュンが言った。
「追撃中に待ち伏せされた。
崖から降りてきて、斬りかかってきてな。
まあ、道が狭い分捕まえやすかったが――」
「それで……どうされたの?」
「首をへし折ってやった」
ジュンが笑い声を漏らし、ミアルの瞳が熱を帯びる。
ミアルの指は止まらない。最後に、脇腹に大きく走る矢傷へと触れた。その瞬間、ジュンの呼吸が乱れた。
「俺をこそこそ狙ってきた奴らがいてな……追いかけて、首をはねてやった」
ミアルは目を潤ませながら、両手でジュンの体を撫で回した。それから頬を寄せ、ジュンを上目遣いに見ながら、うっとりと言葉を漏らした。
「――指揮官なのに……」
「わかってるじゃないか……。
俺は安全圏で指揮してるやつらとは、違うんだ」
ミアルは、ジュンへ手を伸ばした。彼女が最初に触れたのは、右腕の外側に残る、細く深い線。
「……これは?」
ミアルの問いに、ジュンはわずかに口元を持ち上げて、答えた。
「それは囮だ。敵が振りかぶってきたから、左手の短刀で殺してやった……」
ミアルの指が、ジュンの肩の斜めに走る傷へ滑る。
「これは……?」
「槍で突かれた痕だ。
かすった瞬間に、柄《え》をつかんで引き寄せて、俺の剣に突っ込ませた。
あいつ、目を見開いたままだったな……悪くない反応だった」
ミアルが喉を鳴らしたのを、ジュンの耳はとらえていた。ジュンに、静かな愉悦がにじんだ。
ミアルはさらに指を滑らせ、脇腹にある切り傷へ。それは、深さがあった。
ミアルの言葉を待たずに、ジュンが言った。
「追撃中に待ち伏せされた。
崖から降りてきて、斬りかかってきてな。
まあ、道が狭い分捕まえやすかったが――」
「それで……どうされたの?」
「首をへし折ってやった」
ジュンが笑い声を漏らし、ミアルの瞳が熱を帯びる。
ミアルの指は止まらない。最後に、脇腹に大きく走る矢傷へと触れた。その瞬間、ジュンの呼吸が乱れた。
「俺をこそこそ狙ってきた奴らがいてな……追いかけて、首をはねてやった」
ミアルは目を潤ませながら、両手でジュンの体を撫で回した。それから頬を寄せ、ジュンを上目遣いに見ながら、うっとりと言葉を漏らした。
「――指揮官なのに……」
「わかってるじゃないか……。
俺は安全圏で指揮してるやつらとは、違うんだ」