小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第39話 深夜の睦言《むつごと》(2/2)
「リャン将軍が軍旗を受け取ったとき、あなたは旗に目が釘付けになっていましたね」
ジュンは痛いところを突かれたように、黙った。
「――リャン将軍は、今日も“優等生”でした。
ああいう方は、“決まった手順”では完璧です。
何も問題は起こさない」
「皮肉か……?」
「いえ。
ただ……“想定外”のことが起きたら、あの人はどうするんでしょうね。
きっと、凡庸なことをしそうです。
――物語にする価値もないような」
ミアルは、ジュンの目をまっすぐ見つめた。
「でも……あなたならきっと違う」
ジュンは、わずかに眉を上げた。
ミアルは、ジュンの胸を指先でいじり始めた。
「面白い物語を作るわ。
――誰もが、あなたに振り向くような。
このまま何もせず消えていくには、あまりにも予定調和すぎて……」
「俺がこのまま消えるわけないだろう」
ジュンの声は静かで、鋭かった。
ミアルは、ジュンの胸に頬を寄せた。
(そうこなくちゃ、面白くないわ……)
ジュンはミアルの髪を撫でながら、考えを巡らしていた。
(――そういえば、ドン監察官が死にかけているとか言ってたな。
ちょうどいい。
あいつの命を救えば、陛下の恩賞を賜《たまわ》れるだろう。
そのときにミアルとの婚姻を願い出れば、陛下も拒めまい。
きっと財産や領地も、取り戻せる。
官位復帰を望めば警戒されるが、婚姻なら誰も文句は言えまい。
家庭を築いた男を、無軌道な狂犬とは見ないだろう)
ジュンはミアルの額に唇を落とし、冷ややかに笑った。
(この女は使える。
俺に惚れているし、暴走もせず、扱いやすい。
しかもカナリア妃の侍女だ。
正室にすれば、カナリア勢の動きも掴める。
宿敵の命の恩人になり、この女を正室として囲う……面白い)
「リャン将軍が軍旗を受け取ったとき、あなたは旗に目が釘付けになっていましたね」
ジュンは痛いところを突かれたように、黙った。
「――リャン将軍は、今日も“優等生”でした。
ああいう方は、“決まった手順”では完璧です。
何も問題は起こさない」
「皮肉か……?」
「いえ。
ただ……“想定外”のことが起きたら、あの人はどうするんでしょうね。
きっと、凡庸なことをしそうです。
――物語にする価値もないような」
ミアルは、ジュンの目をまっすぐ見つめた。
「でも……あなたならきっと違う」
ジュンは、わずかに眉を上げた。
ミアルは、ジュンの胸を指先でいじり始めた。
「面白い物語を作るわ。
――誰もが、あなたに振り向くような。
このまま何もせず消えていくには、あまりにも予定調和すぎて……」
「俺がこのまま消えるわけないだろう」
ジュンの声は静かで、鋭かった。
ミアルは、ジュンの胸に頬を寄せた。
(そうこなくちゃ、面白くないわ……)
ジュンはミアルの髪を撫でながら、考えを巡らしていた。
(――そういえば、ドン監察官が死にかけているとか言ってたな。
ちょうどいい。
あいつの命を救えば、陛下の恩賞を賜《たまわ》れるだろう。
そのときにミアルとの婚姻を願い出れば、陛下も拒めまい。
きっと財産や領地も、取り戻せる。
官位復帰を望めば警戒されるが、婚姻なら誰も文句は言えまい。
家庭を築いた男を、無軌道な狂犬とは見ないだろう)
ジュンはミアルの額に唇を落とし、冷ややかに笑った。
(この女は使える。
俺に惚れているし、暴走もせず、扱いやすい。
しかもカナリア妃の侍女だ。
正室にすれば、カナリア勢の動きも掴める。
宿敵の命の恩人になり、この女を正室として囲う……面白い)