小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第42話 夢の中のぬくもり(2/5)




 瑶吟宮の近くにある、雑草が生え放題のさびれた庭。その物置の中にシャオレイはいた。
 半年前、シャオレイはフェイリンとここで出会った。
 天井の隙間から射し込む光にほこりがキラキラと舞う中、あたりを見回してみる。
 あのとき、自分がフェイリンに刃を当てられた場所――シャオレイはそこに立った。
 今にも、背後から冷たい気配が現れそうな気がして、思わず目を閉じる。
 だが、何も起こらない。

 ただ、風が小屋の隙間から吹き込んでいた。

 あのとき輝いた額の小鳥は、何も告げてはくれなかった。



 シャオレイは、フェイリンを探していた。

 だが、フェイリンは蔵にも琴房にも――どこにもいなかった。

 シャオレイは琴の前に座り、そっと絃を弾いた。静まり返った部屋に、一音だけが小さく響いてすぐに消えた。
 その余韻の中で、シャオレイはちらりと入口を振り返った。
 だが、そこには誰もいなかった。

 シャオレイは一言も話さなかったが、付き添っているミアルにはその心の中がよく分かった。
(妃様はフェイリン殿を求めていらっしゃる。
陛下に会いに行ったところで、どうにもならないのだから。
陛下を責めることなど許されないし、すがったところで疎まれるだけ。
だって後宮の女は、陛下に愛を注いでもらうだけの存在だもの。
――いえ……私もか。
ジュン様に愛を注いでもらうだけの存在。
彼に飽きられたら、終わり)

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