小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第42話 夢の中のぬくもり(2/5)
◆
瑶吟宮の近くにある、雑草が生え放題のさびれた庭。その物置の中にシャオレイはいた。
半年前、シャオレイはフェイリンとここで出会った。
天井の隙間から射し込む光にほこりがキラキラと舞う中、あたりを見回してみる。
あのとき、自分がフェイリンに刃を当てられた場所――シャオレイはそこに立った。
今にも、背後から冷たい気配が現れそうな気がして、思わず目を閉じる。
だが、何も起こらない。
ただ、風が小屋の隙間から吹き込んでいた。
あのとき輝いた額の小鳥は、何も告げてはくれなかった。
◆
シャオレイは、フェイリンを探していた。
だが、フェイリンは蔵にも琴房にも――どこにもいなかった。
シャオレイは琴の前に座り、そっと絃を弾いた。静まり返った部屋に、一音だけが小さく響いてすぐに消えた。
その余韻の中で、シャオレイはちらりと入口を振り返った。
だが、そこには誰もいなかった。
シャオレイは一言も話さなかったが、付き添っているミアルにはその心の中がよく分かった。
(妃様はフェイリン殿を求めていらっしゃる。
陛下に会いに行ったところで、どうにもならないのだから。
陛下を責めることなど許されないし、すがったところで疎まれるだけ。
だって後宮の女は、陛下に愛を注いでもらうだけの存在だもの。
――いえ……私もか。
ジュン様に愛を注いでもらうだけの存在。
彼に飽きられたら、終わり)
◆
瑶吟宮の近くにある、雑草が生え放題のさびれた庭。その物置の中にシャオレイはいた。
半年前、シャオレイはフェイリンとここで出会った。
天井の隙間から射し込む光にほこりがキラキラと舞う中、あたりを見回してみる。
あのとき、自分がフェイリンに刃を当てられた場所――シャオレイはそこに立った。
今にも、背後から冷たい気配が現れそうな気がして、思わず目を閉じる。
だが、何も起こらない。
ただ、風が小屋の隙間から吹き込んでいた。
あのとき輝いた額の小鳥は、何も告げてはくれなかった。
◆
シャオレイは、フェイリンを探していた。
だが、フェイリンは蔵にも琴房にも――どこにもいなかった。
シャオレイは琴の前に座り、そっと絃を弾いた。静まり返った部屋に、一音だけが小さく響いてすぐに消えた。
その余韻の中で、シャオレイはちらりと入口を振り返った。
だが、そこには誰もいなかった。
シャオレイは一言も話さなかったが、付き添っているミアルにはその心の中がよく分かった。
(妃様はフェイリン殿を求めていらっしゃる。
陛下に会いに行ったところで、どうにもならないのだから。
陛下を責めることなど許されないし、すがったところで疎まれるだけ。
だって後宮の女は、陛下に愛を注いでもらうだけの存在だもの。
――いえ……私もか。
ジュン様に愛を注いでもらうだけの存在。
彼に飽きられたら、終わり)