小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第42話 夢の中のぬくもり(4/5)
しばらくして、ジュンが紫微殿へやってきた。ジュンは、ゼフォンへうやうやしく挨拶をする。
ドン監察官は”宿敵”をにらみつけ、ロウ侍医は油汗をかいている。
ゼフォンは、すぐに尋問を始めた。
「ラン衛帥がロウ侍医に処方箋を渡したと聞いたが、まことか?」
「はい。
宮中に流れるドン監察官の噂を聞き、かつての駐屯地で兵の間に流行していた病と、酷似していることに気づきました」
「そのときに、そなたが兵たちを治療してやったのだな」
ドン監察官が叫んだ。
「口からでまかせだ!陛下、惑わされてはなりませぬぞ!」
ジュンは、ちらりとドンを見る。
「私は軍務を解かれた身でありますが、今こそドン監察官に恩を返したく……。
処方だけでもと、ロウ侍医に申し出た次第です」
「そなたは、ドン監察官の弾劾によって前職を失った。
それを恨んでいてもおかしくはない。
――なぜ恩返しなのだ?」
「陛下の仰る通り、初めはドン監察官を逆恨みしておりました。
ですが、日が経つにつれて目が覚めたのです。
自分の愚かさ、傲慢さに。
それに気づく機会を与えてくださったドン監察官に、今は――心から感謝しております」
ジュンは静かに言い、深く一礼した。
ドン監察官が、罵声を飛ばした。
「何が感謝だ!白々しい!!」
ジュンは殊勝《しゅしょう》な顔で受け流していたが、その瞳の奥には怒気がちらついていた。
(貴様は運がいい。
ここが戦場だったら、一太刀で斬り殺してやった……。
陛下の御前《ごぜん》であることに感謝しろ)
しばらくして、ジュンが紫微殿へやってきた。ジュンは、ゼフォンへうやうやしく挨拶をする。
ドン監察官は”宿敵”をにらみつけ、ロウ侍医は油汗をかいている。
ゼフォンは、すぐに尋問を始めた。
「ラン衛帥がロウ侍医に処方箋を渡したと聞いたが、まことか?」
「はい。
宮中に流れるドン監察官の噂を聞き、かつての駐屯地で兵の間に流行していた病と、酷似していることに気づきました」
「そのときに、そなたが兵たちを治療してやったのだな」
ドン監察官が叫んだ。
「口からでまかせだ!陛下、惑わされてはなりませぬぞ!」
ジュンは、ちらりとドンを見る。
「私は軍務を解かれた身でありますが、今こそドン監察官に恩を返したく……。
処方だけでもと、ロウ侍医に申し出た次第です」
「そなたは、ドン監察官の弾劾によって前職を失った。
それを恨んでいてもおかしくはない。
――なぜ恩返しなのだ?」
「陛下の仰る通り、初めはドン監察官を逆恨みしておりました。
ですが、日が経つにつれて目が覚めたのです。
自分の愚かさ、傲慢さに。
それに気づく機会を与えてくださったドン監察官に、今は――心から感謝しております」
ジュンは静かに言い、深く一礼した。
ドン監察官が、罵声を飛ばした。
「何が感謝だ!白々しい!!」
ジュンは殊勝《しゅしょう》な顔で受け流していたが、その瞳の奥には怒気がちらついていた。
(貴様は運がいい。
ここが戦場だったら、一太刀で斬り殺してやった……。
陛下の御前《ごぜん》であることに感謝しろ)