小鳥の爪―転生寵姫は2番目の恋に落ちる―
第43話 奈落への、秒読み(3/5)
◆
瑶吟宮《ようぎんきゅう》の琴房で、シャオレイの琴の音が響いている。
それは、ゼフォンがシュエン妃と伽をした夜、フェイリンがシャオレイへ弾いてくれた旋律だ。
(琴で慰めてくれるなんて、あの人ったら器用なんだか不器用なんだか……)
シャオレイに、思わずほほ笑みが浮かぶ。
不意にミアルが慌てて入ってきて、さっき見たジュンの様子を興奮をにじませながら語った。
それを聞いて、シャオレイは声をひそめた。
「――ラン・ジュンはずいぶん荒れてるわね」
「もしかすると、じきに帝位を奪うかもしれませんね」
「それもあり得るわね。でも……早すぎるわ」
「妃様の予言では、今から2年後――ファンレン暦10年でしたよね」
「ええ……。
ラン・ジュンに兵権《へいけん※》は無いから、三日天下《みっかてんか※※》で終わるかもしれないけど――」 [※軍を指揮する権限][※※ごく短い期間だけ権力を握ること]
とはいえ、ゼフォンの命を奪わせる気は、シャオレイにはまったく無かった。
シャオレイは身震いした。
「もう処刑に持ち込む機会が来たなんてね――」
(どうする?
フェイリンを呼び戻して、ジュンを討ってもらう?
いえ、彼はリーハイの私兵団に潜入中……そちらを放置できないはず)
「ゼフォンに、謀反の兆候を打ち明けたほうがいいかしら……」
「証しがあれば、陛下にご報告するのは有効かとは思いますが……」
シャオレイは息をついて、「……それが無いのよね」と言った。
「私が今夜、より深くジュン様を探ってまいります。
もし私が戻らなかったら、そのときに陛下へご報告を」
「一人で行くの?私の”盾”から誰かを――」
ミアルが軽く笑った。
「ジュン様は、私の腕をひねり上げたりするかもしれませんね」
「笑ってる場合じゃないのよ?」
「――冗談です。
彼には、私に危害を加える理由がありません。
それに……ジュン様は鋭い方ですから、護衛の気配だけで気づかれるかと――」
シャオレイは小さくうなずいた。
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瑶吟宮《ようぎんきゅう》の琴房で、シャオレイの琴の音が響いている。
それは、ゼフォンがシュエン妃と伽をした夜、フェイリンがシャオレイへ弾いてくれた旋律だ。
(琴で慰めてくれるなんて、あの人ったら器用なんだか不器用なんだか……)
シャオレイに、思わずほほ笑みが浮かぶ。
不意にミアルが慌てて入ってきて、さっき見たジュンの様子を興奮をにじませながら語った。
それを聞いて、シャオレイは声をひそめた。
「――ラン・ジュンはずいぶん荒れてるわね」
「もしかすると、じきに帝位を奪うかもしれませんね」
「それもあり得るわね。でも……早すぎるわ」
「妃様の予言では、今から2年後――ファンレン暦10年でしたよね」
「ええ……。
ラン・ジュンに兵権《へいけん※》は無いから、三日天下《みっかてんか※※》で終わるかもしれないけど――」 [※軍を指揮する権限][※※ごく短い期間だけ権力を握ること]
とはいえ、ゼフォンの命を奪わせる気は、シャオレイにはまったく無かった。
シャオレイは身震いした。
「もう処刑に持ち込む機会が来たなんてね――」
(どうする?
フェイリンを呼び戻して、ジュンを討ってもらう?
いえ、彼はリーハイの私兵団に潜入中……そちらを放置できないはず)
「ゼフォンに、謀反の兆候を打ち明けたほうがいいかしら……」
「証しがあれば、陛下にご報告するのは有効かとは思いますが……」
シャオレイは息をついて、「……それが無いのよね」と言った。
「私が今夜、より深くジュン様を探ってまいります。
もし私が戻らなかったら、そのときに陛下へご報告を」
「一人で行くの?私の”盾”から誰かを――」
ミアルが軽く笑った。
「ジュン様は、私の腕をひねり上げたりするかもしれませんね」
「笑ってる場合じゃないのよ?」
「――冗談です。
彼には、私に危害を加える理由がありません。
それに……ジュン様は鋭い方ですから、護衛の気配だけで気づかれるかと――」
シャオレイは小さくうなずいた。